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2010年 01月 27日
覚書6・キッチン・台所・流し/男子厨房に入るべからず、か・・・
■その1 戦後民主主義教育の小学生のカリキュラムの家庭の授業も、まじめにキチンを学習してきたせいか、あるいは小学校のある時期から、ぼくたち男のこどもたち兄弟も交代で晩ご飯のお茶碗洗いを担当させられてきたせいか、ぼくにとって厨房は入るべからずのものではない。 包丁で皮をむいたり刻んだりするのも、不思議と無心になれるので嫌いではないし、火加減を見ながらご飯を炊きあげるってことも、これはもう農耕民族の原点だから、炊きあがった釜の蓋をあけたときに舞い上がる湯気の、ほのかなご飯の香りなんてたまらない。 だから材料の調達から始まって、冷蔵庫に納めるものは納め、食材を取り出しながら洗い調理し、煮炊きし、盛りつけし、配膳するという一連の行為の中での段取りや手際の善し悪しのことを考えると、寸法のディテールや機器のグレードなどより、水が出てキチンと排水されて、切れる包丁があって、それなりの火力があるという根本的なものが整っていれば、ぼくの厨房はオーケーといえる。まあ、毎日労働としての炊事をこなす主婦から見れば、お話にならないと言われるかもしれないけど・・・ ぼくの生まれた家の流しには、大きな水瓶があって、そこに井戸から汲んできた水が貯めてあった。おそらく間口1間半、そこに人造石で造られたそれこそ流しと水瓶が並んでいた。冬は凍り付き、水を飲むときは柄杓で氷を割ってから汲んで柄杓のまま飲んでいたという記憶がある。やがて井戸の水くみから解放され、ポンプが水瓶の横に付き、そしてやがて配管された蛇口に代わるけど、お湯が出る蛇口が付くのは、その家では成されなかったと思う。 炊事の火力は、薪ストーブか七輪で、お湯はストーブに付属して湯沸かし器からであったから、ほとんど冬だけのものだった。だから炊事をしている母が、流しと茶の間の真ん中にあるストーブとをしょっちゅう忙しそうに行き来していたのを覚えている。動線ということからいえば、6帖の先の流しと8帖くらいの隣接する茶の間の中心とのスムーズな移動ということになる。 祖父もまだ健在で、どうゆう経緯で話がなされたかわからないが、やがて新しい住宅を、父親がすぐ横に建てた。小学校2、3年生の頃だと思う。当然全てが広くなり、新しい台所は8帖、流しの仕様は人造石からステンレス、お湯も蛇口から出るという画期的なグレードアップだった。ただ流しのステンレスは、ハンダで貼り付けた板金やさん製作のもので、排水口や入り隅部分から、よく水がにじんできていた。 以前の家はもちろん、新しくなった家も流し回りというのは、どうしてもジメジメしたものになっていたと思う。だから家相では、台所の位置が問題視される。ジメジメした湿気は、家の劣化を進めるし、不潔になりやすく、住み手の健康問題にも進展していくからだ。 当時、ぼくがよく遊びに行った近く同級生の家のカズちゃんちは、農家だった。回りが木に囲まれた典型的な造りで、東側にあった裏玄関から入った台所は、記憶では、かまどもある広めの本当に土の土間だった。ぼくんちから300Mくらい、いちきしり川を渡ったすぐ右手にあったその敷地は、話はそれるが、ぼくがいつも見るオッカナイ夢の舞台だった。小学生のぼくたちは、いつもその家の回りのちょっとした林の中で、怪獣に追いかけ回されていた。ひたすら必死で逃げる、とても怖い夢だった。 とにかくそんな昭和30年代、それからわずか40数年、人造石のジメジメと水切れの悪い流しは、食器洗い機まで完備されたステンレスや人工大理石の1枚天板のシステムキッチンに、一挙に変貌を遂げてしまう。(ひょっとして庶民レベルでは、欧米を追い越しているかもしれない) → → その2へ
by take2zeronine
| 2010-01-27 21:13
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