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2017年 11月 10日
「九間/ここのま」から四畳半、そして利休の待庵二畳。切り詰められた極小空間としての茶室、それも抹茶の茶室にこだわらない自由奔放な(彼なりの決め事はある)小空間。 京間二畳は、ぼくの7尺モジュールの一間(ひとま)分に相当して、かなりシンクロしてくる。 利休前後の茶室を軸線にした建築史、建築史家でもあり建築家でもある説得力。『茶室学』はそんな建築本。 実はだいぶ以前に購入していて、きっかけがなくパラパラ拾い読みしていただけだった。 それが藤森建築の茶室から、当然著者は自作を語るわけで、急に面白くなったわけです。 * * * 堀口捨巳のあがったり降りたりするスロープで繋がった無味乾燥なRC校舎のキャンパスで、授業に飽きだしてきたぼくの図書館通いが始まった頃だった。 安藤忠雄はその都市住宅の中で、富島邸(この時の打放しコンクリートは、どちらかというとやりっ放しコンクリートで荒々しいものだったけど・・/後の安藤忠雄建築研究所)を発表して、都市ゲリラみたいなことを論じていたような気がする。 当時からその鹿島出版会はSD選書というのを出していて、最新刊が267巻目、黒沢隆著『個室の計画学』。 たまたま地元の喜久屋書店に久しぶりに寄ったら、3尺書棚の3段くらいにまで縮小してしまった建築本コーナーに、売れ筋SD選書が何冊か並んでいて、黒沢隆(故人になっていた)の名前につられて手にしてみると、極小個室のプランがのっている。 それは江戸の単身赴任してきた下級武士の長屋に始まり戦前の昭和へと繋がってくる。 戦後は焼け跡の物資不足の中で小住宅にならざるを得ず、現代は高騰した都市の隙間の中に、極小賃貸個室になっていく。 久しぶりに受注した東川でのアパートは、予算上の制約からコンパクトなメゾネットプランに落ち着いていく。この試行錯誤の過程が、この著者の「個室」とシンクロしていって、戻ってからアマゾンに注文してしまった。 (間口7.5尺のままか8尺に広げるべきか、結局は間口8尺奥行き24尺半分吹抜のメゾネット(26.48㎡)になったんだけど、仕上がってない状態なのに賃貸としての評価はすこぶるいい。もっと高い家賃でもいいという声が多いのだ。) その住宅版がCPP(コンパクトプロトタイププラン)で、ぼくが行きついた先は7尺モジュール2121九間(3.5間×3.5間)なんだけど、それは黒沢隆への最適解であるような気もしてくる。 だれもがどこにでも建てられるという機能性を突きつめていくと、デザイン的には完結した単体のプロダクトデザイン的になものとなり、さらに最新の性能をはめ込んでも、庶民の価格帯から外れることはないものにするというコンセプト。 個室群住居の頃にはどうも違和感があったけど、この著作には読ませるものが随所にあって建築本にしては読了できそうだ。
by take2zeronine
| 2017-11-10 14:26
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