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2017年 06月 12日
あの姉歯構造偽装問題(2005)以降、官民共に構造強度に関して、一挙にナーバスになってしまった感がある。
できたばかりの建物がシビアなチェックの元に問題ありと判断されると、簡単に建て替えられてしまうからだ。 そんなシビアな判断の中に、スリーブのコア抜きがある。 スリーブとは、設備(排水管や換気ダクト管など)の配管ルートで、梁や壁などの構造体(主に鉄筋コンクリート)に前もって貫通穴を確保しておくもの。設備施工図の検討が甘かったりすると、入れ忘れがあったり、位置違いでこのスリーブが使えなかったりするケースが出てくる。そんなとき鉄筋やコンクリートもカットしてしまう穴を開けるための回転カッターで、出来上がった構造体に後から穴を開けてしまうことをコア抜きという。 つまりこの穴を後から開けることになると、補強筋は入ることにならないし、大事な鉄筋を切ってしまうことにもなる。 住宅レベルでも最低限こうなのに、ましてや大規模な建築物ならなおさらである。この典型的悪例が「グラン南青山高樹町マンション」(2014)建て替えだ。1カ所2カ所なら許容範囲かも知れないけど、コア抜き多数というから相当数の穴が構造体に開けられたことになる。特に鉄筋コンクリート構造の梁の場合、位置によっては大事な主筋を切ってしまうことになり、その場合のダメージは決定的なものになるから、気をつけなければならない。
by take2zeronine
| 2017-06-12 10:55
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