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2013年 05月 15日
ピカソもそういえるかも知れない、いわゆる『ヘタウマ』、絵の世界では以前よくいわれていたように思う。
それは芸術全般にいえる先端的なことの微妙な表現になるのかもしれないが、こと建築に関しては、それがなかなかやっかいなんです。 というのは、建築は設計者が自らその設計に従ってものづくりをしてくことは、ほとんどないから・・ わずかにある例外も、建築に関わっている人間の習性として、垂直や水平、直線、平坦、均質な目地割り、寸法に狂いがなくピタリとついている、そしてきれいな納まり(ディテール:ミースはそこに神が宿るとまで言ってるし・・)など、そんな特殊な世界で教育され、生きてきているので、そこから外れることはありえない。 ぼくの知る限り、山根鋭二(桑沢デザイン研究所卒)の『からす城』(1972)とか鯨井勇の『プーライエ』(1973)とか。(古いねぇ〜、ぼくの二十歳前後で印象深いのかな)あとは自邸のセルフビルドとはいえども、やはり検討を重ねた図面とプロの職人さんたちの手を借りたりして、きれいに出来上がっている。 プロであればあるほど、上記の性癖から逃れられないものだ。 ぼくもそうだ、よくわかる。 う〜む、そんな世界にヘタウマはあり得るのか、それをやって建築になり得るのか・・ スコップを手に、地面を掘って砂利を埋め、石をセットする。おそらく機械でみたら全くの水平ではないだろう。 気にならないほど微妙に傾いた床、案外雨が漏らないアスファルトルーフィングだけの屋根、隙間だらけで素材もバラバラな外壁の板。 だが気密も断熱もあるレベルにはなっており、だから換気もそれなりに計画されている。 施工をするとは、施工管理することであって、管理者が自ら施工することはあり得ない。 見る目はあっても、施工はプロの職人さんたちの仕事で、それを統括管理しているに過ぎない。 セルフビルドでそれはほとんど不可能だから、自ずとそれは手に負える規模で、なおかつ自分だけのセンスが基準になる自前のものにどうしてもなってしまう。 自分では意識しないうちに、どうやら『日日庵』がそうなっていることに気がつく。 ぼくの手に負えない部分は、まあいいかでいくし、全く手が出ない部分はプロにお願いする。このときのサジ加減の説明が難しい。先に挙げた性癖を捨て去ってもらうから。 だけどそのやりとりすら、また格別なものになってくる。 全ての基準は、自らの美意識とものづくり精神へのこだわり、行ったり来たりの繰り返しのなかで、あるラインからは外れないように、自分自身を制御する・・ ヘタウマってこんなに哲学的だったっけ!
by take2zeronine
| 2013-05-15 18:42
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