最新の記事
以前の記事
2024年 03月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 more... カテゴリ
全体 ●日日庵 ●新住協札幌 ●eベクトル/現在位置はどこ? ●e旅・街巡り/都市・建築 ●いえのえほん/その覚書 ●エンターティメント/感動感激 ●医学・医療/健康第一 ●トヨエモン/どこから来たのか ●しごと/プロであること 最新のコメント
最新のトラックバック
タグ
いえのえほん
日日庵
川俣正
三笠ふれんず
建築家シリーズ
三笠プロジェクト
結ホール
九間/ここのま
岩見沢プロジェクト
そば農園
新住協
北海道新聞
TKBストリート
7尺モジュール
メキシコ
自邸
キリスト教会
いえのえほん施工篇
健康第一
過去へ遡る
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2011年 08月 10日
小さい頃の思い出の家族の写真、その中にお墓参りのものがある。
ぼくは未就学で、母の縫ったシャツを兄とおそろいで着ている。白いシャツが強いコントラストの白黒写真の中で、夏の暑い日差しを物語っている。 そこは家から車で10分もかからない、山の斜面の林の中の墓地だった。お盆になる前の掃除とお墓参りで、年に2回は必ず訪れていた。記憶には残っていないので、今みたいに春と秋のお彼岸には、あまりお参りに行ってなかったのかもしれない。もっとも、3月下旬のお彼岸は、当時はまだまだ雪が残っていて、近づくのが困難だった思う。 そんな想い出を浮かべながら、現在の「岩見沢緑が丘霊園」(『日日庵』から500m)の母が建立した、まだ父だけが眠るお墓の土間を改修した。 8月8日は、昨日の『結祭り』に引き続き、霊園もあつい暑い夏の炎天下であった。朝から作業にかかったけど、太陽の強い日差しに晒された墓石の周辺の気温は、グングン上昇していった。 メンバーは、作業員のYuちゃん、ベテラン左官職人のぼくと同年のHiちゃん、それにぼくの3人だった。 先日のお墓掃除で、母から出された希望を実現させるための人選だった。 その希望というのは、京都から取り寄せた土で土間になっている現在の仕上げを、「草の生えない仕上げにして欲しい」というもので、ありきたりの仕上げにはしたくなかった。 まず考えたのは、土のイメージを残して、珪藻土の土間にする、というもの。そんなイメージを持ちながら、お墓掃除で草むしりしていて、ひらめいた。 せっかくの京都のこの土を生かしたらどうだろう。 そこで考えたのは、この土にセメントを混ぜて固めて、ある厚さの土間にする。それを現況を見極めながら、自ら手をかけつつ、どんな方法がいいか、その場で判断していこうという計画だった。 判断を迫られるひとつは、その厚さ、そして最大の懸案は、土とセメントと水との混ぜる比率。 これを長いつきあいの職人Hiちゃんと、ああでもないこうでもないと、あえて試行錯誤したかったし・・・まあこれがたぶん、親父も似たようなことをするのではないか、という思いもあって、結果を問わずに喜んでくれるだろうと、いいように解釈したわけです。 その作業は、結局ほぼ1日かかり、ずっと霊園にいた。その間、いろんな人たちがお墓掃除に訪れてきていた。強い日差しの炎天下、それはまさしく真夏の光景にふさわしいものであった。 水くみ場では、何度かそれらの人たちと出くわすたびに、麦わら帽子のぼくに、向こうから声がかかってきた。「いやあ、暑いですね!」 最初は、「ほんとに強烈な暑さですねえ」とぼくも返していたけど、どうもお昼を過ぎてきたあたりからは、「気持ちがいいくらいに、暑いですね」というふうに、返すようになっていた。ダラダラ流れる汗で、下着はグショグショになりながら、逆に心地よいものに気分は変わっていた。 作業も仕上げの佳境にはいって、コテを扱っているHiちゃんをみると、頭のてっぺんから玉のようなあせが滴って、額の上で強い日差しに反射していた。 なんとかイメージに近い形の土モルタルに仕上がり、生乾きの上から、取ってあった土をふるいにかけて振って、完成とした。そして最後はいつものように、「20110808」と日付を左下に刻んだ。 さて、お盆にお参りに来た母は、どんな感想を述べるだろうか・・・
by take2zeronine
| 2011-08-10 13:57
| ●eベクトル/現在位置はどこ?
|
ファン申請 |
||