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2010年 11月 04日
(いえのえほん3/場所、サイト/どんなところに建っているのか、の続編)
家を建てる時、その敷地は千差万別、様々である。 敷地に建物をどう置くか。高さをどう設定するか。 アプローチはたいていの場合、道路からになるので、その道路との関係性が、ポイントになる。さらに周囲のロケーションを読み込んで、太陽の動きとの関係、つまり日照を考慮していく。 だから敷地に建った時、こんな前提条件をもって、おおまかな間取りをイメージして、生活をシュミレーションしてみるのだ。 O邸の場合は、農村地帯だ。敷地面積は何百坪もあって、境界杭もない。手がかりは、以前建っていた古い納屋(農家ではよくある、住宅を新しくすると以前住んでいた住宅は、納屋になる場合が多い)と後ろに控える山の斜面とアプローチとの関係性がきわどくて、閃きと感性が勝負どころ。 いざ位置だしとなって、ある一点を決めながら、全体の大きさで仮配置、微調整をしながら、ほぼイメージを固める。前段のきわどい関係性を絶妙な配置で納めたつもりで、まず自らが納得する。そうして地鎮祭の日を迎えて、配置説明をする。閃きと感性が通じたのか、OKが出る。 次に高さを当たってみると、四隅の対角2点で、30センチの高低差。山の斜面際なので、当然か。たまたま高い方が玄関アプローチの角だったために、階段ステップを1段だけにして、その高低差をクリアーする。 この高低差のある敷地に、水平な建物をどうゆう高さでセットするか、いわゆる設計GL(グランドライン)の設定だけど、ここは以外に悩ましい部分だ。完成した時に、ごく自然に、玄関ドアまで辿り着くことができれば、成功だ。 I邸の場合は、宅地造成地だから、宅面はほぼ平ら。ただ道路と両隣と後ろの林の高低が、まちまちで、特にカーポートがある場合、スムーズに車入れが可能でなければならない。道路にあわせると隣接した敷地より低くなりすぎて、違和感が出る。一番高い西隣の敷地よりわずかに低めに納めて、奥行きのある敷地から、道路から玄関ドアまでのアプローチの長さを利用して、カーポートの勾配が急にならないように押さえる。 南面が前面道路なので、奥に配置した建物の日照も、かなりの時間帯で受けることができる。 と、まあ、このような感じでぼくの場合、高さの設定には、調査した各点のレベルの数値は、一度持ち帰って、かなり吟味してから決める。それをまた現場で何度かシュミレーションしながら、工事中でもどうも違和感がある場合は、微調整をして変更する。 人間の身体がもっている自然な感覚に、敷地と周辺のロケーションが、どこまで同化出来るか、ということになる。 無理はしない。 自然に逆らわない。 技術を過信して、力ずくで納めない。 だから、どんなに山の斜面だろうが、林の中だろうが、湖の際だろうが、原野の中にぽつんとだろうが、街の中だろうが、平坦だろうが、坂道の住宅街だろうが、何気なく佇んでいたい。 大げさに言えば、わが家と地球との物理的接点をどうとるか、人間社会との心理的接点をどうとるか、とも云えるのわけです。
by take2zeronine
| 2010-11-04 03:01
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